現状の外側ってナニ?

コーチングでは、脳を上手に使うためにまずゴール設定をしていきます。

ゴール設定の条件として、
「ゴールは現状の外側に設定する」
というものがあります。

そして、多くの人はここで悩まれます。
「現状の外側って何??」

ここでは、現状の外側をイメージしやすいように、コンフォートゾーンを題材に使ってお話ししていきたいと思います。

「知っていること」と「できること」の間にあるもの

できると思ったのに、うまくいかなかった。。。

という経験は誰にでもあると思います。

「やる前は絶対いけると思ったのに、実際にやって見たら全然イメージと違ってうまくいかなかった。。。」
なぜそうなったのでしょうか?

これはコンフォートゾーンが大きく関係します。

想像と現実

私は、大学3年生の時に、今までのスキーをやめて、初めてスノーボードをしました。
スノーボードに行く前に、
インターネットのサイト(当時Youtubeはまだありませんでした)で初心者が知っておくべき、リフトの乗り方や降り方、ビンディングの付け方を学び、滑走の仕方はスノーボードで颯爽と風を切って滑走している動画を映画やテレビで見て学びました。

そして、結構調べたし、なんとかうまく滑れるだろうと話しながら、スノボを初めて滑る友人達と3人で車で、スキー場に向かいました。

調べておいたおかげで、ぎこちなくではありますが、リフトも乗ることができ、降りるのもなんとか降りれました。

斜面に座ってビンディングをしっかりと固定し、「さぁ滑ろうっ」と立ち上がると、
「えっ?」
となりました。

急に目の前の斜面が急に見え、どうやって滑っていいかがわからなくなったのです。

今まで「なんとかなるだろう」と思っていたものが、自分にはできないことのように思えてきたのです。こうなってくると、呼吸が早くなり、どんどん緊張してきて、余計にできる気がしなくなってきます。

これは「知っていること」と実際に「できること」の間にある大きな隔たりを体感した瞬間でもありました。

「知っていること」と「できること」の大きな違い

「知っていること」と「できること」の大きな違いは、その概念に対するリアリティです。
スノーボードで滑れることを「知って」いても、実際に「できる」というわけではありません。

大学生の私はスノーボードで滑れると思って、いざ斜面に立ってみてはじめて、
「どういう感覚で滑りだすのか?足の裏に感じる雪の感触はどんな感じなのか?曲がる時の足の角度や?身体の傾きはどうするのだろうか?」
といった細かいところを知らないことに気づいたのです。そして、とても緊張してきて、「自分にはできないんじゃないんだろうか」と感じてしまったのです。

しかし、そういった足りない部分を認識することは、とても重要なことです。
認識しなければ、情報は入ってこないからです。

私たちは多くのものを「知っています」。
しかし、いざ自分が行動しようとすると、様々な不安が出てくるものなのです。

コーチングでは、この「知っているけど実際にはできないこと」をコンフォートゾーンの外側と言います。

「コンフォートゾーン」とは、自分がリラックスして普通に行動できることや、その状態、空間のことを指します。

「コンフォートゾーンの外側」を感じると、呼吸が早くなったり、緊張したり、今までできると思っていたことができないと感じたり(エフィカシーが下がるとも言います)、疎外感を感じたり、それによって、ネガティブな感情が生まれたりします。

成長とはコンフォートゾーンを広げること

実は私たちは、子供から大人に成長する中で、どんどんコンフォートゾーンを広げていっています。
もちろん、コンフォートゾーンの外側を感じたこともたくさんあります。

今みなさんはお箸を当たり前のように使ってご飯を食べていることでしょう。
しかし、小さな時はお箸をうまく使えなかったはずです。

二輪の自転車も乗れなかった時期があるでしょう。

自動車の運転もそうですし、今の職業もそうかもしれません。

成長とは、今まで「知っているけど、やったことがないコンフォートゾーンの外側」に目標を立て、やってみることで、必要なことを知り、やり続けることでいつの間にかできるようになって、いつのまにかコンフォートゾーンの内側に入っていることとも言えるでしょう

私たちは、成長とともに何度も何度も、コンフォートゾーンの外側と対峙し、コンフォートゾーンを広げてきました。

大人はコンフォートゾーンの外側を見たがらない

しかし、人の脳は「達成したことは時間とともに記憶の重要度が下がり、認識に上がりにくくなる」ようにできています。(このことはまた別の機会に、情動記憶のお話でお伝えしようと思います。)

そしていつしか大人になり、自身で生活できるようになると、疎外感を感じたり、緊張したりすることが必要と感じなくなるため、コンフォートゾーンの外側を嫌煙するようになります

ほとんど成長が止まってしまうのです。

ゴールは現状の外側に設定する

さて、ここではコンフォートゾーンとコンフォートゾーンの外側についてお話ししてきました。
冒頭で「現状の外側」をコンフォートゾーンを題材にお話ししていきましょう、とお伝えしました。

今ここまで読まれた方は、「現状の外側」とはどんなイメージになりましたか?

現状「リラックスして行動できる範囲」つまりコンフォートゾーンと捉えると、
現状の外側とはコンフォートゾーンの外側といえるのではないでしょうか。

ではどうやったら、「現状の外側」を感じれるか?
それは、大人になって嫌煙するようになった、あの感覚を味方につけることです。

「疎外感を感じたり、緊張したりすること」
これが現状の外側を感じる鍵です。

「そんなことなら、いっぱいあるよ。」
という方も沢山いらっしゃるでしょう。

そうなんです。
実は「現状の外側」って意外と沢山あるんです。

その一つ一つがゴールとなっていくのです。

「知っていること」の中で、大学生の私のように「スノボで気持ちよく滑走したい!」イメージし行動してみてください。
行動して、ある時点で急に緊張してしまったり、できないかも、と感じるのであれば、ゴール設定のチャンスということです。

想像するだけで、緊張してしまったり足がすくんでしまうなら、とても素晴らしことです。
それはあなたにとって「高いゴール」が見つかった瞬間かもしれません。

現状の外側のゴール設定は、こんなにも簡単に行えるものなのです。

私たちがお伝えしている「コーチング(マインドの使い方)」は、決して難しいことではありません。
ぜひ、マインドをうまく使って、自分の進みたい未来へ向かってください。

これを読んでいる方の中にも、コーチングを「知っている」だけで「できる」ものではない方もいらっしゃると思います。
ぜひ自分がマインドをうまく使えているところを想像し、緊張感や、疎外感を感じてみてください。
まずはそこがあなたの初めのゴールとなるかもしれません。

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