RASをひらく-効率よく情報収集をする方法

こんにちは、益井貴生です。

短い時間に多くの情報を得るための
コーチングのコンセプトをお伝えしようと思います。

先日講演をされる方の、事前リハーサルに参加してきました。

リハーサルでは、講演の内容を本番と同じように行って、
より伝わるようにするにはどうすればいいかを
共にディスカッションをしながら考えていきます。

講演は話す方の人柄と伝えたいという気持ちがとても出ていて、良い内容でした。

良い内容ではあったのですが、時々話の中で「今何の話をしているんだ?」という部分もありました。
これって、どう関係してくるんだろう?と話からはぐれてしまうことがあったのです。

話からはぐれてしまうと講演を聞いている方は「分かりにくい」「よく分からない」となり、その部分が多ければ「つまらない」と評価されてしまいます。

「どうすれば、この部分を改善できるだろう?」と考えていると、コーチングの一つのコンセプトが浮かびました。
それが「RAS」です。

「あぁ聴く人のRASが開いていないから、はぐれてしまうんだ」と。

RASとは?

RASとは、Reticular Activating Systemを略してたもので、
日本語では紋様対賦活系と書くマインドの仕組みです。

簡単に説明すると、
RASは「脳に入ってきている情報のフィルター」の役割
をしています。

ここからは、RASの機能をみなさんに体感してもらいながら、お話ししていこうと思います。

私たちは、五感から様々な情報を得ています。

例えば、今この文章を読んでいるあなたは、目で画面を見ています。

目から入った情報は、電気信号に置き換えられ、神経を通って、脳へ送られます。
そして脳が処理をし、画面が映っている映像を受け取って、意識に上がります。
こうやってみなさんは、画面から情報を受け取り、このお話を読んでいただいているのです。

それでは、目以外の情報も探ってみましょう。

今これを読んでいるあなたも、
感覚を探りながら読んでいってください。

耳からはどんな情報が入ってきていますか?

鼻からは?

親指からはどうでしょうか?

手のひらはどんな感じ?

腕の皮膚からはどうでしょうか?

足の裏からは?

こうやって一つ一つ考えていくと、
私たちは、身体全体の五感から様々な情報を得ていることがわかります。

しかし私たちには、常に全ての情報が意識に上がっているわけではありませんよね。

「手のひらはどんな感じだろう?」と意識を向けてみて、
スマホを持っている感覚や、マウスを持っている感覚を感じることができるんです。

それが脳のフィルター機能「RAS」の働きです。

RASは、神経から伝わってくる電気信号の中で、
「今あなたが重要だと考えているものだけ」を通し、

それ以外の情報は、
脳に入る前にブロックしてくれています。

足の裏の感覚は常に重要ではありません。
だから普段、その情報はRASによってブロックされています。

このRASにブロックされた情報をスコトマと言います。

しかし「足の裏の感覚」と文字で読んだあなたは、
足の裏が意識に上がり重要度が上がったので、
今足の裏の感覚を感じていることでしょう。

面白いことに、今感じているその足の裏の感覚も、
時間が経つといつの間にかまた感じなくなってしまいます。
時間が経てば足の裏の重要度は一気に下がって、再びRASが情報を遮断し、意識から消えていくのです。

RASをひらく

ここまで、脳のフィルター機能であるRASの存在をお伝えし、
足の裏の感覚を感じながら、RASの機能を体感していただきました。


RASは「あなたが重要」だと感じていることしかフィルターを通しません。
重要なもの以外をスコトマにし、なかったことにしてくれます。

さて、講演のリハーサルを聴く中で
「今何の話をしているんだ?」とはぐれてしまう部分は、
「聴く側のRASが開いていないからだ!」と気づいたというお話をしました。

講演を聞いている人は、なにかしらの目的を持って参加しています。
目的は、その人にとって重要度が高いことです。

目的に合致した部分は RASを通って認識し、
目的と関係ない情報は、
RASがブロックして見えなくなってしまいます。

講演する側にとって、話す内容は重要度が高い事ばかりですが、聞く側にとってはそうではありません。

どうすれば、講演する側と聞く側の重要度を合わすことができるのでしょうか?

それは聞く側のRASをひらいた状態にすることです。

RASは自分が重要だと思っているものしか、情報を通しません。
相手に今話していることが、自分にとって重要だと認識してもらうことがポイントとなります。

その方法は意外と簡単です。
「目的を共有する」ことです。

講演だと、まずは講演の内容をしっかりとタイトルに反映させることが重要になってきます。

タイトルを見た人は、そのタイトルから内容を想像します。
「きっとこんなことを話すのだろうな」と。

聞く側は、そのタイトルが自分にとって関係あり、重要だと感じれば「聞いてみたい」となり、参加を選択します。

そうやって集まった聴衆は、ある程度共通の目的と重要度を持っています。
あとは講演全体を通して、講演する側と、聴衆の重要度を合わしていきます。

今回のはぐれてしまう問題は、この重要度がうまくあっていないことで起こりました。

講演を聴く中で、タイトルから想像していた内容と合致している部分があったり、新たな気づきが生まれたとき、楽しくなります。

しかし、全く想像しておらず、自分にとって重要度の低い部分が続くと、
「なんでこの話が必要なの?」となって、急に興味がなくなっていき、
RASが情報を遮断しはじめます

講演する側にとっては、タイトルで共有した全体の目的のために必要な情報だとしてもです。

RASを開いたままにするために必要なことは、
「講演すべての内容が自分にとって重要なものだ」と認識してもらうことです。

そのためには全体を3つから4つに分割して、それにタイトルをつけ、事前に共有しておきます。
全体を分割し、一つ一つにタイトルをつけることで、聞く側がそのタイトルからまた内容を想像します。

想像することで、どんな話をするんだろう?と重要度が上がり、RASが開いていくのです。

明確な目的がRASをひらく

さて今日は、コーチングの重要なコンセプト
「RAS」について、講演を例に挙げながらお話ししました。

脳のフィルターシステムであるRASは、
自分にとって重要な情報しか脳に通しません。

私たちは普段の生活で、ほとんどの情報をRASによって遮断しています。
そのRASをひらく方法は、「明確な目的を持つ」ことです。

同じ時間を過ごしても、多くの情報を得る人とそうではない人がいます。

多くの目的を持って生活している人は、多くの分野にRASが開いているため、
同じ時間を過ごしても得る情報の量が違うのです。

みなさんの周りにも、こういった方はきっといらっしゃるはずです。
この人多才だなと感じる方は、特にそうなのかもしれません。

コーチングでは、RASが情報を通すようにチューニングする「アファメーション」「ビジュアライゼーション」というメソッドがあるのですが、
それはまた別のところでお話ししたいと思います。

さて、みなさんはどんな情報を得たいでしょう?

さっそく目的を明確にして、
RASが情報を通すようにチューニングしてみてください。

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